電気式のバランサは、電気の力を使って重量物をバランス状態にし、少ない力で移動や作業が行えるようにサポートする機械です。設置に際しては、配線や対応した電圧、コンセントが必要です。可搬荷重は大きいもので1.5トンに対応。電気の供給がストップしても内蔵ブレーキによりワークの急降下を防止する安全機能を備えています。
センサーが吊り荷の重量を感知して自動調整するため、重量が異なるワーク運搬でも吊り荷の状態を保持します。また位置決めも思い通りの場所にピタッと合わせることが可能です。バランス状態になれば、ワークを直接両手で持って作業することもできます。壊れやすいワークもキズをつけず優しい運搬が可能です。
バランサにセンサーを内蔵しているため、様々な設定ができます。可動範囲や急な動きの制限、作業内容ごとに適した速度や加速度などの設定が可能です。スイッチ操作で必要な設定が簡単に再生できます。アシスト荷重をコントロールして、ワークから手を放すと自動的に上に戻るようにしたり着地したりする設定にすれば、作業効率の向上にもつながります。
対応した電源があれば、コンセントを挿すだけで手軽に使えるのが電気式バランサです。電子制御を用いて、ワークの上昇下降スピードの制限設定や、あらかじめ決めた位置に近づくと速度制限をかけるなど、ワークの落下や急スピード防止のための様々な設定のカスタマイズができます。
停電などで電源がOFFになったときもワークの位置を保持する自動ブレーキがかかる安全機能が作動。ワークの重量とモーターの回転速度を計測して出力調整することでワークのバランスをコントロールし、重いワークでも小さな力で運搬できます。
電気がなければ機械を動かす力を失ってしまうため、使うことができなくなります。電気の供給が止まっても直ちに停止しない仕組みになっていますが、停電などに備えて予備電源を用意しておくと安心です。
電気を使うので、ガスなど引火性の高いものを扱う場所や高温低温な環境、粉塵が多く発生するような危険箇所では使用できません。機械は静音仕様となっているものが多くありますが、電気を使って動かすため、ある程度の大きさの動作音が発生します。
自動車製造工場などで部品やパーツの移動や位置決め、大きな木材などを加工機に正しくセットするときなどに利用されています。重量のあるワークでも1人で思い通りの位置への運搬や位置決め作業が可能です。
工場などでコンテナや原料など様々な形状や重量のワークの積み下ろしや、トラックへの資材積み下ろし、出荷前の準備作業でのパレット積み込み作業などに活用されています。
食品などの工場では、袋に入った原料の運搬や大鍋などへの材料投入、物流の現場では様々な形状や重量のワークを台車から棚への移動、指定場所への運搬などに利用しています。
レバー操作だけでワークの上下移動やスピード調整が簡単にできます。操作しないときはワークをそのままの状態でキープする安全機能や、ワークの急降下や持ち上げすぎを防止する機能を装備。繊細なコントロールが可能なため、加工工場で機械に部品をセットしたり、農業など出荷準備のパレット積みに利用したりします。
電子制御・機械設計の技術を結集して開発し、従来型からさらに機能・操作性がアップ。エアを使わなくても高性能のバランス機能を備えています。可搬重量は50~250kg。あらかじめ高さを記憶させ、ボタン操作で位置を再生する位置再生機能や、動作範囲を任意設定して操作ミスでの天井接触や押しつけ過ぎなどの事故を防止する機能があります。
10~1,500kgのワークを吊り上げて移動させる助力装置です。重いワークでも小さな力で運搬可能。直接ワークを両手で持って上げ下げしたり、作業したりできます。作業中にワークの重量が変化しても柔軟に対応。ワークを思い通りの位置でピタッと合わせることができ、壊れやすいワークでも傷つけず優しく運搬できます防塵タイプ・HACCP対応も可能です。
パンダグラフ機構を採用された垂下形アームを有する円筒座標型となっており、従来のバランサの操作性や利便性を維持したまま、さらに作業員のストレス軽減を目指して自然な動きをサポートできるように設計されているバランサです。作業範囲を広く保てるよう構造になっており、さらにサーボモータータイプとハイスピードタイプの2種類がラインナップされています。寸法ごとに細分化され、数多くのサイズが展開されていることも特徴です。
作業員の動きや意思を即座に作業へ反映できるよう、無駄な動作を排除して反応時間を圧縮し、慣性力による影響を小さく抑える設計が追求されました。ハンドルモードを選択すれば現場では作業員がハンドルを握るだけでサーボバランサーが直ちに反応し、ボタンを押したりレバーを操作したりといった作業は必要ありません。上下の範囲もソフトリミットで細かく設定できるため、反応が早すぎることで作業困難になる心配も解消されています。
最大重量285kgのワークであっても、小さな力によって安全に運搬することができる吊り下げ式のバランサユニットです。また、例えば容器から液体や粉体などを少しずつ流す作業のような、搬送中にワーク重量が変化していく作業であっても、バランサが自動で重量変化を認識してバランスをキープしてくれるため、作業員がその都度コントロールする必要はありません。電気を使用しないオールエア方式対応で導入しやすいことも特徴です。
作業員がワークを直につかみながら操作できるフロートモードと、手元の操作でコントロールできる無段速シリンダモードの、2種類の動作パターンを選択できる吊り下げ式バランサです。サーボモーターが超低速動作でも安定した応答性を発揮し、微妙な位置調整や正確な組み付け作業などをサポートします。また、ワークへの揺れや振動といった影響も抑えやすくなっており、ガラス製品のような割れ物でも安全に運搬しやすいことが特徴です。
ガラス板を運搬したり保持したりするバランサとして、位置決めを正確に行える上、重量の変化やサイズの変化にも臨機応変に対応できる電気式バランサは人気の製品となっています。壊れやすい性質を持つガラス板については吸着アタッチメントなどで対応し、ガラス板のバランスを安定させるために複数ポイントの吸着や角度調整を行える機種が有効です。
印刷シリンダーは高重量のワークとなる上、再利用のために角度を変えたり設備機器への再セッティングが必要になったりと様々な作業調整が必要となります。そのため、操作性が安定しており、通常機能やオプション機能によって作業の幅を広げられる電気式バランサはおすすめの製品といえます。また、90度反転機能などのオプションも人気です。
高重量のロール材は、単に重量物として運搬時にリスクがあるだけでなく、中空状態になっているため運搬方法についてもバランスの安定化や保持の方法といった点に注意しなければなりません。
例えば芯へクランプを差し込んで角度反転を行える電気式バランサやオプション機能を活用することで、重量のあるロール材でも安全に運搬することができます。
瓶入りプラケースの運搬には、重量物を安定して運べるための機能と、内容物であるガラス瓶などにダメージを与えずに運ぶための機能、さらに速やかにケースを積み上げるための速度や角度調整といった機能が総合的に必要です。そのため、連続した作業をスムーズに行える電気式バランサは瓶入りプラケースの運搬に適しています。
液体や粉体が入ったポリ容器で重量が変化するものは、重量が変化しても柔軟に対応できる電気式バランサが適しています。また、ポリ容器の形状に合わせてフック式を採用したり、吸着アタッチメントを利用したりすることで、作業環境やワークの種類、生産ラインへの組み込みといったニーズへ対応させることが可能です。
重量のある鋼管の運搬システムとしては、重たいワークでも安全かつ軽い負担で運べる電気式バランサの導入がおすすめです。また、クランプを採用したりアタッチメントや専用ハンドを活用したりすることで、鋼管のサイズや長さなど合わせて適切な作業体制を叶えられることも見逃せません。
生産ラインや製造ラインの工程に応じて重量変化するコンテナの運搬については、途中で運搬物の重量が変わってもスムーズに対応可能な電気式バランサが適しています。重たい状態でも安全に運びやすい上、軽量状態になっても運搬速度などを一定に保ったまま操作できるため、作業中の事故やヒューマンエラー防止にも役立つます。
金型を運搬して製造ラインや作業工程に設置するためには、重量物であっても安全に運べる上、ワークの正確な位置決めを行える電気式バランサが有効です。
金型の形状に合わせてアタッチメントを調整したり、フックのピッチ可変機構などを追加したりすることで、より作業環境の条件に適したバランサ導入が可能となります。
自動車メーカーなどにおいて、自動車部品を運搬したり製造ラインへ設置したりするバランサとして、電気式バランサがしばしば活用されています。
力のない従業員でも重量物を安全に運べることはもちろん、角度調整や連続した作業をスムーズに行える電気式バランサは、作業の停滞を防ぎながら幅広い作業工程に対して導入できることがポイントです。
モーターコアの巻き線工程に関しては、重量物を安全かつスムーズに運べる電気式バランサが適しています。モーターコアをパレットや台車などへ整列させるためには同じ作業を繰り返し行う必要がありますが、電気式バランサであれば作業員がコントローラーを使ってスムーズに反復作業を繰り返すことが可能です。また、アーバー式の運搬方法などで安全性を高めることもできます。
フォルムロールは重量物になる上、表面へのダメージを防ぐために慎重な運搬システムが求められるでしょう。そのためフィルムロールの運搬には、重たいワークでも運びやすく、芯に専用パーツを差し込んで持ち運べる電気式バランサが有効です。
ロールの形状や内径に合わせてパーツを選び、さらに90度反転機能を利用すれば機器への設置も容易です。
印刷業において、印刷に使ったシリンダーを取り外したり、印刷機へ再セットしたりするためのバランサとして、電気式バランサが適しています。手元のコントローラーを使うことで角度調整や重量物の運搬がスムーズに行える上、位置決めを正確に行えるので機械へ設置する際の安定性を高められることがポイントです。
食品や食材が入った袋物は重心が変化しやすい上、ワークの形状が常に同じでないため、重量変化に対応しながら重量物を安定して運べる電気式バランサがおすすめです。また、袋物ワークをパレットやコンテナへ整列させる際には、正確な位置決めを行える電気式バランサならではのメリットがさらに有効性を増すでしょう。
例えば飲料物の入ったガラス瓶やボトルなどをコンテナへ整列させたり、それらのコンテナをパレットへ積み上げたりする作業にも、電気式バランサの安定感は魅力です。
アタッチメントを工夫することでガラス瓶であっても運搬や保持の際のダメージを軽減できる上、移動時の慣性によって液体の重心が変化しても電気式バランサであればスムーズに対応できます。
農作物が詰め込まれたコンテナは高重量になるため、重量物でもスマートに運搬できる電気式バランサは効果的な製品です。単にコンテナを移動させたり運搬したりするだけでなく、正確かつ連続してコンテナを積み上げたり積み下ろししたりといった作業にも、操作性に優れた電気式バランサの導入はメリットを追求しやすいでしょう。
電気式バランサはメリットが多く幅広い業界やワークに対応させやすい製品ですが、実際に導入してメリットを最大化しようと思えば、事前にチェックしたり注意したりすべきポイントも少なくありません。
ここでは電気式バランサの導入や比較において重要な点をまとめていますので、自社のニーズやワークの種類などと合わせて検討してください。
電気式バランサの導入を検討した際、それぞれのメーカーへ相談することになるでしょう。その際、特定の製品だけを勧めてくるばかりのメーカーや担当者と、様々なケースやプランを提案した上でクライアントへ選択肢を与えてくれる担当者では、信頼度が大きく異なります。
目的は同じでも設置条件や作業環境によって製品適正は変わるため、提案力の高さは要チェックです。
企業の実績や歴史を確認することも大切なポイントです。創業から長く安定して事業を続けているメーカーであれば、様々な場面やニーズに対してノウハウを培っているだけでなく、今後も長く企業として存続してくれる期待があります。
バランサは導入後も定期的なメンテナンスやケアが重要になるため、末永くビジネスパートナーとして信頼できるかどうかはしっかりとチェックしておきたいポイントです。
バランサは生産ラインや製造ラインの要にもなり得る設備機器だからこそ、それらの機能が常に信頼できるかどうかは生産効率や品質の安定を考える上で無視できません。
メンテナンスやアフターフォローといったサービス体制がしっかりと確立されているメーカーであれば、トラブルを早期発見しやすく、万一の際にも速やかな解決を期待できます。
メーカーやそれぞれの製品がどのような場面や業界、企業へ導入されて成果を上げてきたかどうか、具体的な事例を確かめることも大切です。
自社と同様のニーズや競合他社への導入実績や事例を知ることができれば、自社へ導入した場合のシミュレーションにも具体性が増して、導入プランを一層に細かく練っていくことができます。
袋を下ろさず開封+材料投入!
作業時間を短縮する
画像引用元:アイコクアルファ公式HP
https://aikoku-rh.jp/special/
揺れ防止機能あり
屋外で使える
画像引用元:ユニパルス公式HP
https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-product/
重さ不明の荷物でも
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画像引用元:トーヨーコーケン公式HP
https://www.toyokoken.co.jp/products/index_balancer.php?lcategory=balancer&category=hybrid_balaman