バランサのアタッチメントは使いやすさや省人化・省力化に大きく関わる部分です。そのため、作業環境に合ったものを選ばなくてはいけません。ここでは、7種類のバランサアタッチメントの特徴と利用シーン例をタイプ別に紹介しています。ぜひ、参考にしてください。
真空パッドなどを使用してワークを吸着し、目標位置まで搬送させるタイプです。ワークの表面をバキュームするため、幅広い形状のワークに活用可能。跡が付きにくいことも特徴に挙げられ、デリケートに取り扱わなくてはいけない対象物に重宝します。
金属板やガラス板のような大きな板物を人力で運ぶと、移動時の変形や衝突など、運搬物の破損に繋がる可能性が高くなるでしょう。そこで、均一な力で吸着し搬送できる吸着式のアタッチメントを装着すると、ワークの品質低下を防止できます。
フォークリフトのように爪をワークの下に引っかけて持ち上げ、移載・搬送時の負担を軽減します。爪のピッチ(角度)を自動変更できる仕様に設計すると、サイズが異なる搬送物も対応可能に。段ボールの下に爪を差し込んで運んだり、ホイールの両側面から押さえるように爪を差し込んで運んだりなど、多様な使い方ができます。
重量物を搬送する際、人の力で持ち上げ作業を繰り返すと、腰痛や残業の元になることも。このような負担の軽減にフォーク式アタッチメントは有効です。
対象物をアタッチメントで引っかけて挟みます。その際、自重がかかり、爪の開きを抑制。安心性の高い搬送をサポートします。無理な力を掛けずに持ち上げられるため、床パネルなどの製品の品質低下の心配がありません。
ほかにも、ボックス搬送に適したメカ式アタッチメントを装着して、作業効率を向上したり、省力化を図ったりできます。
フックやワイヤーロープ、スリングベルトにてワークを吊り上げます。フックを引っ掛けて利用するため、手軽に移載・搬送可能です。バランス機構を無重力状態に設計すると、上下左右の移動がとても楽に。ドラム缶やプラケースなどを運ぶ際に、作業車の手の感覚で自由自在に操作できます。
フックの形状によっては長尺物も運べるので、ワーク形状やサイズ、搬送ラインなどに合わせてオーダーメイドするのもありです。
ワークを外側から挟み込んで持ち上げるタイプ。吸着式やフック式のアタッチメントでは搬送できないワークに有効です。エアーシリンダー式クランプにおいて、クランプ力の調整機能を追加することで、適切な加減で搬送をサポート。脆く、壊れやすい物を運ぶ際に重宝するでしょう。
鉄管や木材、ポリ容器、ロール材、段ボール、ホイールなど、幅広いワークに利用できます。アタッチメントからワークが滑り落ちる危険性があると心配な場合は、滑り止め加工をオーダーしてみるのもよいかもしれません。
ワークの内側にアタッチメントを入れ、挟み込んで持ち上げます。外側クランプ式と同様、吸着式やフック式のアタッチメントが利用できないシーンで活躍。クランプ跡が外側に付かないため、繊細な製品向きです。
例えばロール材の内側にクランプすることで、搬送はもちろん、反転作業も楽に行えます。従来ならば複数人で行っていた作業の省人化、重作業の改善を図れ、より良い作業環境を目指せるでしょう。
アームの先端に永磁マグネットや電磁マグネットを組み込んでいるアタッチメントです。鉄板や鉄棒、鋼板などをマグネット吸着し搬送できます。制御装置を追加することによって、安全性能を高めることも可能です。
またバランス機能を重視して設計すると、天井クレーンでの吊り上げ作業よりも扱いやすくなるでしょう。
生産ラインの作業効率アップや安全性を高めるために、バランサのアタッチメント選びは重要です。重量物を取り扱う環境であれば、落下時のケガの危険性があったり、腰痛の原因になったりなど、労働災害防止に努めなくてはいけません。また、移動・搬送・反転作業時には、製品の破損・汚れなどについても配慮すべきです。
作業に合ったアタッチメントを選択することで様々なリスクの軽減、品質向上を目指せます。そのために、アタッチメントの種類と特徴を細部まで理解し、自社環境に合ったものを選びましょう。
約200種類
~2000kg
約110種類
【選定条件】
2021年11月1日にGoogleで「バランサ」「バランサー」「助力装置 バランサ」と検索した際に表示されたバランサメーカー22社の内、以下の条件に当てはまるものを選出。
アイコクアルファ:該当メーカーの中でもっとも製品数が多く、尚且つオーダーメイド対応をしている。
ロボテック:該当メーカーの中でもっとも最大荷重が重いバランサを製造している。
遠藤工業:該当メーカーの中でスプリング式、ワイヤーロープ式、ロードチェーン式を扱っており、商品数が最も豊富。