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自動車製造

自動車製造の現場に適したバランサとは

自動車工場でフロントガラスの位置合わせに

丁寧な運搬が求められるフロントガラスの運搬にはエア式バランサがおすすめです。正確な位置合わせがしやすく、ワークを手で持って運搬することができます。

素早くバランス状態の切り替えができ、短いタクト作業にも最適。吸着パッドで優しくガラスを持ち上げ、傷や汚れをつけることなく作業できます。危険設備対応の防爆仕様とすることも可能です。

組立製造ラインで治工具や部品の懸垂に

多くの工程がある自動車の組立や製造ラインでは様々な道具や部品を必要とします。ライン上のその場その場に必要な治工具や部品を懸垂しておくには、スプリングバランサーが最適です。

必要な道具をすぐ手にして効率よく作業ができる上、道具の紛失防止、工場内の整理整頓にもつながります。天井にレールを敷いてバランサを設置すれば、広範囲で活用することも可能です。

重くて大きい部品を加工機へセットする時に

いろいろな形状をした部品がある中で、重量があって複雑な形の部品を機械へセットするときに適しているのが電気式バランサです。

アタッチメントはクランプ式を採用し、部品をしっかり掴んで持ち上げて運搬します。さらに180回転などの機能を追加すれば、加工機へセットする一連の作業がすべてバランサで安全に行えます。

選ぶべきアタッチメント

車のフロントガラスなど傷をつけずに丁寧に運搬したい場合のアタッチメントは吸着式が最適です。大きさや重さの違う部品を運搬したいときはクランプ式がおすすめ。ワークを外側からしっかり掴んで運搬します。内径がある場合は内側から挟み込んで持ち上げて運搬することも可能です。

ワークを掴む力をソフトにしたいときはエアシリンダーを用いてクランプ力を調整できるものがあります。磁石にくっつく金属製のワークでは市販のマグネット(永磁・電磁)を組み込んで運搬。電子制御を併用すれば着脱が手元でコントロールできます。

自動車製造の現場におけるバランサの活用事例

エアー式ラクラクハンド/アイコクアルファ

アイコクアルファ事例
画像引用元:アイコクアルファ公式HP
https://aikoku-rh.jp/results/air-rh/post497/

新車種立ち上げのためにラクラクハンドを導入。複数の車種に対応しなければならない事や、作業者に気をつかわせたくないという事を考慮して仕様書が作成されました。

インパネ搭載は、常にドア開口の大きさとワーク姿勢との戦いです。 取り出し時の姿勢、車輛投入時の姿勢、組付時の姿勢のポジション切り替えをスムーズに行うことがポイント。作業に合ったものをコーディネートしました。

事例参照元:アイコクアルファHP(https://aikoku-rh.jp/results/air-rh/post497/

使用バランサについて

エアー式ラクラクハンドは、ものを無重力状態に保ちながら、手に近い感覚で微妙な位置合わせが可能。持ち上げる原動力に圧縮空気を使用する、一定量のものを繰り返し運ぶ作業に適したバランサです。140種類以上のラインナップがあり、さまざまな環境に対応できます。

エアバランサ スカラタイプBMS(床上型)/トーヨーコーケン

自動車工場内では、重量物を扱うことが多いので、危険を伴う作業が多くあります。シート取り付け作業、ホイールの運搬、様々な形状や重量の部品の運搬などです。それらの問題はエア式バランサを導入することで改善できました。

重いシートを無重力状態にして軽々と扱い、安全な作業が可能に。ホイール運搬はフォーク式のアタッチメントを採用して、ホイールの両端を挟み込んで運びます。運搬ごとに重量を感知するため、形状や重量が違うワークも安定した運搬が可能です。

事例参照元:トーヨーコーケンHP(https://www.toyokoken.co.jp/products/balancer/case/

使用バランサについて

エアバランサ「スカラタイプBMS床上型」は、2軸のアームが旋回するタイプのバランサです。作業に合わせて水平アーム、垂直アームそれぞれの長さが変更でき、設置スペースや天井の高さにも柔軟に対応できます。

手作業に近い感覚で操作しやすく、位置決めや短いタクト作業などに最適です。他機種に比べて開口部が少ないため、クリーンルームへの導入例が多くあります。

電気式ラクラクハンドED100/アイコクアルファ

自動車製造の工程で、熱処理をする前の金属トレーを回転させるというものがあります。重量があるため1人ではできない作業の上、製品に傷をつけずに回転させなければいけません。電気式バランサを導入して、重いトレーを軽々と扱えるようにしました。

アタッチメントにはエアクランプ式に手動で回転できる機能を追加。手作業のときと同じ流れで作業ができるように再現し、1人でも安全に行えるようになりました。

事例参照元:アイコクアルファHP(https://aikoku-rh.jp/movie/guide/

使用バランサについて

電気式ラクラクハンドED100は、簡単なスイッチ操作で上下移動・スピード調整が思い通りにコントロールできます。操作をしないときはワークの高さをキープしたまま保持し、ワークの急降下を防止する回路など安全機能を装備。

運搬の度にワークの重量を感知するため、様々な重量のワーク搬送に適しています。アタッチメントや設置方法は、作業内容や環境に合わせて柔軟な対応が可能です。

重量物作業を可能にした導入事例

企業における作業現場の効率化と安全性の向上は、常に重要な課題です。特に重量物を扱う作業では、労働負担の偏りや安全性の確保が課題となります。

重量物の搬送作業をスムーズに、業務負担の偏りを解消

株式会社日野技研では、30kgにもなるオイル製品が入ったダンボールの搬送とパレタイズ作業に「ムーンリフタ」を導入しました。以前は、重量物を扱う作業は主に男性社員が担っており、業務負担の偏りが課題でした。しかし、ムーンリフタの導入により、女性社員も容易に重量物を扱えるようになり、作業負担が平等になりました。これにより、現場の作業がより円滑に進むようになり、男女を問わず全員が効率的に業務を行えるようになったのです。

導入のきっかけとその魅力

ムーンリフタとの出会いは、展示会でした。そこで、株式会社日野技研の担当者は、既存のレールに吊り下げるだけで容易に導入できるという説明を受けました。本体が小型であることから、手狭な工場内でも設置場所を心配する必要がなかった点も、導入を決めた理由のひとつです。

以前使用していたエアバランサは、ダンボールの通気性が原因で搬送中に落ちてしまうことがあり、リスクがありました。しかし、ムーンリフタと共に提案された吊具は、ダンボールをしっかりとホールドすることができるため、安全な搬送が可能となりました。さらに、吊具とムーンリフタを組み合わせることで、ダンボールを隙間なく効率的にパレタイズでき、以前に比べて作業の安全性と効率が大幅に向上しました。

今後の展望とさらなる期待

現在、日野技研様では、今回の導入現場と類似した別の現場でもムーンリフタの導入を検討中です。一度操作に慣れてしまえば、肉体的な負担が大幅に軽減できるため、他の現場でも同様に業務の効率化が期待できると考えています。また、業務内容に適している場合は、他の担当者にも積極的に導入を勧めたいとのことです。

労働負担の偏りを解消し、安全性と効率を向上

今回の導入事例から分かるように、ムーンリフタは重量物の搬送やパレタイズにおける課題を解決し、作業負担の均等化を実現します。また、安全性と効率の向上により、作業者全員がより快適に業務を行うことが可能になります。

体力や効率面の課題を解決した事例

ユニパルス事例
画像引用元:ユニパルス公式HP
https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-case/glm/

導入背景

GLMでは、電気自動車のバッテリーなどの重いパーツを扱う際、手動のチェーンブロックを使用していました。重い部品の積み下ろしは、作業者の体力的な負担だけでなく、効率の面でも課題がありました。上げ下げを行う作業員に加えて、位置合わせやボルトの着脱を行う人員が必要で、3人がかりで作業することも頻繁にありました。

展示会で初めてこの機器を見た際、GLMの技術者たちはその操作性に大きな興味を持ちました。ちょうど新しいテクニカルセンタを立ち上げるタイミングであったこともあり、この機器のデモを実施。その結果、実際に触れてみて作業負担の軽減を体感できたことで、導入を決断しました。

導入効果

新しい機器の導入後、現場は大きく変わりました。バランス状態でパーツを保持できるため、重い部品でも自由に動かせ、一人での作業が可能となりました。その結果、作業にかかる人員を削減し、同時に作業の効率性も大幅に向上しました。

GLMの担当者によれば、「新しい機器のおかげで作業が非常に楽になり、バッテリー以外の重い部品にも活用できている」とのことです。導入によって単なる効率化だけでなく、作業者の安全性の向上や肉体的な負担の軽減にも繋がり、現場の生産性が大きく改善されたことが分かります。

事例参照元:ユニパルスHP(https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-case/glm/

重作業の負担軽減を実現した事例

ユニパルス事例
画像引用元:ユニパルス公式HP
https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-case/yazaki/

健康経営と技術革新の融合

矢崎総業は、従業員の安全と健康を優先する企業文化を持ち、働きがいのある職場を維持することを目指しています。その取り組みが評価され、2018年から6年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」を取得しています。この取り組みの一環として、製造現場での重作業の負担を減らし、より良い職場環境を実現するために作業補助機器を導入しました。

重作業の負担軽減を目指して

矢崎の製造工程では、1個10kg以上もある電線リールやワイヤーハーネスを運ぶ際に、作業者の身体への負担が大きな課題となっていました。作業補助機器の導入は、こうした重筋作業の負担を軽減し、働きやすい職場を実現するために進められました。量産製造工程への導入を前に、まずは各種の事前検証を行い、作業性と安全性の向上を確認しています。

自働化に向けた多様な選択肢の検証

作業補助機器に加え、協働ロボットとAGV(自動搬送車)を用意し、量産検討のためのテストを行いました。作業補助機器のアシスト機能は、作業者の身体的な負担を大幅に軽減するもので、これにロボットとAGVを組み合わせることで、さらなる省人化と効率化が実現可能であると期待されています。特に、実際の工程に近い環境での検証を行い、見学者に導入後の具体的なイメージを持ってもらうことを目指しました。

作業補助機器導入の決め手

作業補助機器は、人のアシストとロボットのアシストの両方が可能なため、現場での柔軟な選択肢を提供します。限られたスペースの中でロボットを導入できないケースも多い中、作業補助機器単独での重作業の解決も視野に入れています。また、協働ロボットを導入した後も、時間帯によって人が作業する場合とロボットが作業する場合の両方の選択肢を維持できる点が、大きな導入決定の要因となりました。

協働ロボットとの組み合わせによる省スペース化

産業用ロボットで重量物を取り扱う場合、大型設備や安全柵の設置が必要になるため、スペース的な制約が課題となります。しかし、作業補助機器と省力・小型の協働ロボットの連携により、省スペースでの自働搬送が可能になり、人との共存作業も実現可能です。これにより、柔軟な生産体制の構築が進められています。

事例参照元:ユニパルスHP(https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-case/yazaki/

その他製造でできること

マニュアルを整備する

マニュアルを整備すると製造業の効率化が進みます。作業手順や工程が複雑な場合は図や写真を活用すると、安全性や品質を維持しやすくなります。さらに電子化してタブレットなどで閲覧できるようにすれば、新人や経験の浅い従業員の理解度を高め、現場教育の充実にもつながります。

定期的に更新し、常に新しい情報を反映させることで、より安定した生産体制を築けます。さらに、マニュアルを動画化すれば、視覚的に作業工程を理解でき、教育コストの削減にも寄与します。現場の改善点を随時取り入れることも大切です。実態に合った指示書を保てます。

レイアウトの効率化

作業場や設備の配置を効率化すると、生産効率が大幅に向上します。特に人や設備の移動が複雑なラインではムダが増え、工場全体のパフォーマンスに影響するため注意が必要です。フローショップ型のように工程順に設備を配置すれば、従業員の移動距離を削減でき、生産性を高められます。

まずはシミュレーションソフトなどで動線を分析し、自社に合ったレイアウトを検討しましょう。レイアウト変更には費用もかかりますが、長期的には十分な投資価値があります。実行前の綿密な計画も欠かせません。メンテナンス性も考慮して配置しましょう。

生産ラインの自動化や無人化

生産ラインを自動化・無人化すると、ヒューマンエラーを低減し、一定の速度で安定した品質を保てます。部品の組み立てや搬送、仕分けなどをロボットが代行すれば、深夜帯や休日でも稼働が継続できるため、生産効率が向上します。初期投資は必要ですが、長期的にはコスト削減や利益拡大が期待されます。

安全対策やメンテナンス計画を整え、トラブルを抑える体制を整えることも重要です。ロボット導入に合わせてスキルを持つ技術者の育成や、定期的な保守点検が求められます。これにより、ラインの長期稼働と品質向上を実現できます。

生産管理システムの導入

生産管理システムを導入すると、工程の進捗状況や設備稼働率、在庫管理などを一元的に把握でき、生産効率が高まります。需要変動が発生した際にも、システムが瞬時に生産計画を見直し、過剰在庫や納期遅れのリスクを軽減できます。

また、他部署や他工場との情報共有が円滑になり、管理コストの削減にも寄与します。導入時には運用フローの整理や従業員への教育を行い、効果を引き出すことが大切です。システム運用状況を定期的に検証し、課題があれば迅速に改善することで、生産性と柔軟性の高い体制を維持できます。

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食品工場の
原材料投入作業向け

袋を下ろさず開封+材料投入!
作業時間を短縮する

原材料投入用
ラクラクハンド®AQ060
ラクラクハンド®AQ060

画像引用元:アイコクアルファ公式HP
https://aikoku-rh.jp/special/

特徴
  • 様々なバランサを食品工場への納入事例あり。ノウハウを活かし、工場に適したバランサを提案
  • 食品工場では粉塵爆発のもとになる粉類の取り扱いも多いため、そのリスクを抑える防爆仕様にも対応可
  • 持ち上げた紙袋を空中で吸着したまま解袋・投入できる新制御を採用。開封のために袋を下ろすワンステップ削減で生産ラインを効率化

公式HPで詳しい仕様を見る

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建設現場の
建材の搬送・設置作業向け

揺れ防止機能あり
屋外で使える

電動バランサ ムーンリフタ
防塵・全天候タイプMLT
ムーンリフタ

画像引用元:ユニパルス公式HP
https://www.robotec.tokyo/moonlifter/moonlifter-product/

特徴
  • 急な引き上げによる揺れや跳ね上がりを防止する機能あり。電源が入っていなくても位置が固定されるため建材落下の心配を低減。
  • 鉄骨・鉄筋や足場材などに適したマグネット式吊り具をラインナップ。
  • チェーンやフックは屋外で使用してもさびにくいステンレス製。電源がない場所でも発電機やバッテリーで駆動。

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多品種・多重量の荷物を扱う
物流・倉庫業向け

重さ不明の荷物でも
安定稼働できる

ウルトラバラマン
U2BMシリーズ
ウルトラバラマン

画像引用元:トーヨーコーケン公式HP
https://www.toyokoken.co.jp/products/index_balancer.php?lcategory=balancer&category=hybrid_balaman

特徴
  • 重さが不明な多種多様な荷物でも、常にバランスを保てる機能を搭載。重さが変わるごとに調整が不要なため、スムーズな作業を叶える。
  • エア式の素早い動きと、電動式の高い位置決め精度を兼ね備えたハイブリット式で、大量の荷物をスピーディに捌ける。
  • 物流業に多い段ボール搬送に適したフォーク式アタッチメントを取り揃え。直感的なハンドル操作だけで誰でも扱いやすい

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