すぐに使える・長く使える 工場の働き方をガラッと変える「バランサ」選びの教科書
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バネ式・ワイヤーロープ式バランサ

スプリングの張力を利用したバランサ

スプリングの伸び縮みする力を使って、ワークの上げ下げをするのがスプリングバランサーです。比較的安価で多くの種類があります。

ワークと同じ荷重を常に発生させるという単純な仕組みのため、工具の補助器としての利用など、使用目的が限定的です。現場では、治工具を必要な場所に設置し、紛失や破損、汚れが防止できるエコな動力の機械として活躍しています。

ワイヤーロープを使ったバランサ

ワイヤーロープ式のバランサは、スプリングのトルク変化をテーバドラムにすることでバランスが取れる仕組みです。電気や空気による動力は一切使いません。

吊り下げた重いワークを手で簡単に上下操作することができ、様々な業種のハンドリング作業で利用されています。オプションで90度回転や吸着などの機能を追加することが可能です。

シンプルな構造でも優れた機能を持っている

スプリングの張力やワイヤーロープの力を動力とし、シンプルな構造をしているスプリング式やワイヤー式のバランサですが、優れた機能を備えています。

バランス状態の微調整ができるのでワークをつかむときや、位置決めがしやすいという利点があります。最大荷重は0.3gkと軽いものから、重さのある200kgまで幅広く対応可能です。

他タイプのバランサと比較した際のメリットとデメリット

バネ式・ワイヤーロープ式バランサのメリット

スプリング式やワイヤーロープ式のバランサは、シンプルな構造で余分なパーツが可能な限り排除されているため、比較的安価で提供されています。最大荷重が数百グラムのものから200キロに対応できるものや、粉塵の飛散を防止する密閉型ケースによりクリーンルーム対応のものなど種類が豊富です。

使用する治工具を机や棚に置くのではなく、必要な場所に吊るしておくことで作業場が整理できる上、スペースも有効活用でき、道具の紛失や汚れ防止にもなります。治工具を機械で安定させているため、正確な作業ができ、安全性も高まります。

バネ式・ワイヤーロープ式バランサのデメリット

スプリング式やワイヤー式のバランサは、ワークと同じ荷重で支えるというシンプルな仕組みのため、治工具の補助器とするなど、使用目的が限られたものになります。重いワークでも軽い力で扱える便利なものですが、絶えず荷外しを伴う作業では、スプリングが跳ね返る危険があるため適していません。

部品の一部が消耗品となるのは普通ですが、スプリング式では動力としているスプリングが長く使用していると張力が弱まってくるため、交換する必要があります。

バネ式・ワイヤーロープ式バランサの活用シーン

治工具などの懸垂用に

工場などの組立製造ラインでは、各場所の作業に必要なツールを懸垂、自動車の自動組立ラインでは作業の邪魔にならいよう工具を懸垂、染色工場では洗浄したものの吊り下げなど、多くの業種で利用されています。

機器や素材の懸垂に

加工工場などで材料・素材の懸垂、工場で長時間のネジ締めや分解作業を行う際には邪魔にならないよう工具を懸垂して使用しています。重い治工具が軽くなり、扱いやすく安全性も高まります。

扉やシャッターの開閉補助に

重い扉やシャッターの開閉を助けてくれるだけでなく、防火対策としても有効です。非常時に出入口が確保できるだけでなく、圧力差を軽減して扉の開閉を補助してくれます。

代表的なバネ式・ワイヤーロープ式バランサ

EKシリーズ(軽量タイプ)(遠藤工業)

スプリングバランサー EWシリーズ(標準 軽量タイプ)
画像引用元:遠藤工業公式HP
http://www.endo-kogyo.co.jp/japanese/product/balancer/spring/product/ek/index.html

軽量なワークを吊るすのに適したコンパクトなバランサです。容量は0.5~1.5kg。スプリングのトルク変化をテーパドラムにすることでバランスを取る機構です。重いワークでも軽い力で上下操作ができます。工場などの組立製造ラインで治工具の吊り下げや、加工工場などで素材の懸垂や芯だしに多く利用されています。

ETPシリーズ(大容量タイプ)(遠藤工業)

ETPシリーズ
画像引用元:遠藤工業公式HP
http://www.endo-kogyo.co.jp/japanese/product/balancer/spring/product/etp/index.html

重量があるワークの懸垂に適したバランサで、容量は120~200kgです。スプリングが破断しても落下防止装置を備えているため、ワークが落下することはありません。スプリングのトルク変化をテーパドラムにしてバランスが取れる機構を備え、重いワークでも手を使って軽々と上下への操作が可能です。自動車工場の組立製造ラインでパーツや工具の懸垂などに使われています。

コードバランサーDBC-1型(ハタヤリミテッド)

コードバランサー
画像引用元:ハタヤリミテッド公式HP
https://www.hataya.jp/products/autoreel/post3017/

コードリールとバランサが一体化したものです。バランス機能により重量のある電動工具を軽い力で上げ下げできます。様々なワークの荷重に対して簡単にトルク調整が可能。本体ケースはABS樹脂製で衝撃や耐久性に優れ、特殊細芯ケーブルは丈夫で絡みにくいものです。工具の抜け落ちを防止する補助ワイヤーが付いています。

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工場現場での使用目的別んだ
バランサメーカー
豊富な商品ラインナップ
現場での動かしやすさ重視
アイコクアルファ
「ラクラクハンド」
  • 設置スペースが限られている
  • 細かい作業が要求される
  • 既存のバランサが上手く動かなかった経験がある
エア式・電気式の製品数

200種類

アイコクアルファ公式HPで
導入実績を見る

バランサの詳細を見る

最大荷重2000kg
重いもの持ち上げる
ロボテック
「ムーンリフタ」
  • 超重量の材料を運搬する
  • 一度に多くの材料を運搬する
  • 複数人で1つのものを持ち上げる
最大荷重

2000kg

ロボテック公式HPで
導入実績を見る

バランサの詳細を見る

スプリング式など多数、
工具吊り下げ用
遠藤工業
「スプリングバランサー」
  • 天井から工具を吊るしたい
  • ~200万円など予算がかぎられている
スプリング式・ロープ式の製品数

110種類

遠藤工業公式HPで
導入実績を見る

バランサの詳細を見る

【選定条件】
2021年11月1日にGoogleで「バランサ」「バランサー」「助力装置 バランサ」と検索した際に表示されたバランサメーカー22社の内、以下の条件に当てはまるものを選出。
アイコクアルファ:該当メーカーの中でもっとも製品数が多く、尚且つオーダーメイド対応をしている。
ロボテック:該当メーカーの中でもっとも最大荷重が重いバランサを製造している。
遠藤工業:該当メーカーの中でスプリング式、ワイヤーロープ式、ロードチェーン式を扱っており、商品数が最も豊富。