重量の大きい自動車の座席(シート)の組み付けや、鋼板などのシート状素材の運搬は作業者の負担が大きな作業です。本記事では、作業を楽にする「バランサ」の選び方やアタッチメントの種類、活用事例を解説します。
重量のある座席(シート)やガラス・鋼板などのシート状素材の運搬・組み付け作業には、作業者の重労働をアシストするバランサの導入が適しています。
手作業で行うと身体への負荷が大きく、安全面のリスクも高まるこれらの重作業も、バランサを活用することで機械の力で安定に保持・移動できるようになります。その結果、これまで複数人で行っていた作業を省人化できるだけでなく、お年寄りや女性でも楽に作業できるようになり、労働環境の大幅な改善につながる機能を持っています。
バランサを効果的に活用するためには、運搬する対象物(ワーク)の形状や材質に合わせて、適切なアタッチメントを使い分けることが最も重要です。
自動車や小型ショベルカーなどのキャビン内に座席(シート)を取り付ける際のアタッチメントとしては、「特殊フック」の使用が有効です。シートベルトを利用して特殊フックで引っ掛ける構造を採用することで、立体的な座席であっても確実かつ安定して保持し、運搬・組み付け作業を行うことができます。
ガラス板や建材ボードのようなシート状素材の運搬には「バキューム(吸着式)」のアタッチメントが適しています。また、鋼板の搬送には、吸着式のほかに「永磁マグネット」のアタッチメントを利用することも効果的です。
さらに、これらの板物を加工機等へ載せ替える作業などにおいては、必要に応じてワークを反転させる「反転機構」を搭載することも可能であり、様々な現場のニーズに対応できます。
それぞれの運搬業務に適したバランサを選ぶためには、対象ワークの重さに応じた能力と、作業環境に合わせた機構を持った装置を選定する必要があります。
たとえば、座席(シート)なら約35kg、車両用フロントガラスなら約70kgといった対象物の重さに対応できるスペックが求められます。また、ショベルカーのキャビン内など狭い空間にアームを入り込ませて作業する必要がある場合は、第2アームまで入り込ませて作業ができる「スカラ型」の構造を選ぶなど、現場環境への適合性に注意して選ぶことが重要です。
実際の現場でバランサがどのように活用され、重労働の軽減や省人化に貢献しているのか、自動車の座席(シート)とシート状素材の具体的な事例をご紹介します。
小型ショベルカーのキャビン内に座席を取り付けるアシスト機として、バランサが導入された事例があります。対象ワークである重さ35kgのシートのシートベルトを利用し、特殊フックで引っ掛けて保持します。さらに、スカラ型の第2アームをキャビン内に入り込ませることで、狭い空間でもスムーズなシートの取り付け作業を実現しています。
事例参照元:トーヨーコーケンHP(https://www.toyokoken.co.jp/products/balancer/case/)
板物(ガラス・鋼板など)の搬送においても、バランサは多くの現場で労働環境の改善に寄与しています。
たとえば、サッシ用ガラスを反転して搬送する作業や、長さ6mにも及ぶ建材用ボードをバキュームして水平に移載する作業に導入されています。また、市販の永磁マグネットや吸着式のアタッチメントを利用し、大きく重たい鋼板をレーザー加工機へ載せ替える作業にも活用されており、複数人での作業の省人化を実現しています。
事例参照元:トーヨーコーケンHP(https://www.toyokoken.co.jp/products/balancer/case/)
【主なワーク】
画像引用元:トーヨーコーケン公式HP
https://www.toyokoken.co.jp/products/balancer/hybrid/
【主なワーク】
画像引用元:アイコクアルファ公式HP
https://aikoku-rh.jp/products/
【主なワーク】
画像引用元:日東工器公式HP
https://www.nitto-kohki.co.jp/apps/prd/search/syousai?seihincd=TB06356&lang=ja&groupcd=T&vf=
※情報は2021年11月~2026年4月時点。